文章で相手を行動に移させる。
一筋縄ではいかないことはあなたもよくご存じですね?
iPhoneだって商品の良さだけでは、全世界に広まることはなかったかもしれません。
良さを伝えるには、いつだって言葉や文章が必要です。
相手の行動を促す、「手に入れたい、買いたい」と思う”きっかけ”を作る文章には秘密があります。
今回はそのコツの1つである、多くの優秀なマーケターが必ず意識してる「4つの学習タイプ」の活用方法に関して紹介します。
01. 4つの学習タイプとは?
「4つの学習タイプ」は1970年代にDavid Kolb(デイヴィッド・コルブ)という組織行動学者によって提唱されました。
・・・難しい話は割愛し、簡単にまとめると、人は学習タイプや性格によって「情報の受け取り方が違う」ということです。
言い換えると、1つのことを同じ伝え方で複数の人に伝えても、受け取り方が異なるということです。
そして、David氏は人のタイプは次の4タイプに分けられると提唱しました。
① なぜタイプ
② なにタイプ
③ どうやってタイプ
④ いますぐタイプ
マーケティングの1つのゴールとして「相手に行動させること」が挙げられますね。
この4つの学習タイプを理解し、相手の受け取り方を知ることで、どうすればあなたのメッセージが響きやすくなり、相手の行動を促すのか解説します。
02. 4つの学習タイプの解説
学習タイプ①:なぜタイプ
理由に納得することで行動ができるタイプ
このタイプの人は、次のように「理由」を明確にすると行動を促しやすくなる。
・なぜそれをする必要があるのか?
・それをすると自分にはどんなメリットがあるのか?
・また、それをしなかったらどんなデメリットがあるのか?
(例)朝のウォーキングを進める場合
・朝は24時間の中で1番脂肪が燃えやすい時間帯です
・代謝が上がる。代謝が上がると、仕事や勉強をするだけでカロリーを通常よりも消費できます
・朝、軽い運動をすることで、学習や記憶に関わる脳の機能を活性化できます
・朝のウォーキングをしなかった場合、午前中の作業効率は落ち、代謝も上がらないまま。 頭も回らずダラダラと午前中の時間を無駄にしてしまうことに。。。
このように、「なぜタイプ」には、それをした方が良い理由や、しなければこうなりますよ、というメリットやデメリットを明確にしてあげると行動を起こしてやすくなります。
学習タイプ②:なにタイプ
具体的な証拠、例、データを見て判断して行動するタイプ
このタイプの人は、「論より証拠」といったタイプで、自分のメリットになるという証拠があれば、行動に移すタイプです。
ここでの証拠は、データや数字のような、理論的なものを指します。
(例)朝のウォーキングを進める場合
・朝の運動は「セロトニン」というホルモンを多く分泌します。これは精神を安定させるのに効果があります。
・○○大学の教授が、朝のウォーキングを始めた方たちの内臓脂肪が、2か月で○%減少したという研究結果を発表しました。
「なにタイプ」の人には、このようにデータや根拠を示すと、メッセージが響きやすくなります。
今回は例として、”○○大学の教授”という「権威」を使用しました。
学習タイプ③:どうやってタイプ
具体的な手順が分かると、行動をしやすいタイプ
このタイプは、ステップごとに細かく方法や手順を示してあげると、行動に移してくれやすいです。
(例)朝のウォーキングを進める場合
まず起きたらコップ1杯の水を飲んでください。
普段歩く時よりも、少しだけ手を大きめに振ります。息は鼻から吸って、口から吐きます。
10分ほど普段のスピードで歩いた後は、少しスピードをアップして歩きます。
合計20~30分ほどウォーキングをしたら終了です。
たったこれだけです。
*例のため、実際に有効なものではありません。
学習タイプ④:いますぐタイプ
とりあえず何をしたら良いのかを伝えると、行動に移してくれるタイプ
このタイプは、やるべき事が分かれば、すぐに行動に移すタイプです。
「まずはとりあえずやってみよう」というタイプなので、具体的なアクションポイントを明示すれば、行動してくれやすいです。
(例)朝のウォーキングを進める場合
・「まずはこちらの動画をみて、さっそく真似をしながらトライしてみてください。」
・「正しいウォーキング習得のためのセミナーを無料開催します。日時は・・・」
03. 4つの学習タイプの活用方法
4つの学習タイプは、文章を使ったマーケティングで活用することができます。
文章で商品の良さやサービスを伝えるとき、もちろん、あなたは相手が何タイプなのかは分かりません。
そこで、文章を作成する際に、4つの学習タイプに響きやすい伝え方を組み合わせ、1つの文章に盛り込むことで活用することができます。
順番としては、下記の順番が一番自然で有効的です。
① なぜ
② なに
③ どうやって
④ いますぐ
例えば、解説で使用した例を用いると、このような文章になります。
(例)朝のウォーキングを進める場合
「生活習慣を変えて、仕事も私生活も充実させたい!」
「ダイエットを始めたいけれど、走るのはちょっと。」
そんなあなたにおすすめしたいのが、朝のウォーキングです。
私の実体験に加え、科学的な根拠もあります。
こんなメリットがあることをご存じでしたか?
・朝は24時間の中で1番脂肪が燃えやすい
・代謝が上がり、朝のウォーキングの後に仕事や勉強をするだけで、通常よりもカロリーを消費しやすくなる。
・朝、軽い運動をすると学習や記憶に関わる脳の機能が活性化する
(↑なぜタイプへのメッセージ)
さらに、○○医科大学の△△教授は、朝の運動は”セロトニン”というホルモンの分泌を促す効果があると言います。
このセロトニンには、精神を安定させるための物質です。
また、こちらのデータでは、朝のウォーキングを2か月間試してもらった40代の男性の内臓脂肪が、7%も減少したという結果を示しています。
(↑なにタイプへのメッセージ)
これらの男性にしてもらったことは、こちらの4ステップだけです。
① 朝起きたらコップ1杯の水を飲む
② 普段歩くときよりも、手を大きく振る。
息は鼻から吸って口から吐く。
③ 10分ほど普通のスピードで歩き後半は少しスピードアップ。
④ 合計20~30分ほどウォーキングする。
たったこれだけです。
(↑どうやってタイプへのメッセージ)
まずはこちらの3分動画を見て、真似することから始めてみてください。
(↑今すぐタイプへのメッセージ)
成果を上げるセールスコピーやメルマガに、この順番での文章構成が多くみられます。
一度、自分が最後まで読み進めてしまった経験のある、ランディングページやメルマガを分析することをおすすめします。
また、テレビ通販番組も、多くの成果を獲得している売り手で、4つの学習タイプの要素を含む、様々なテクニックをギュッと詰め込んだ番組構成になっています。
そうしたマーケティングの観点に注意して見てみると楽しめますよ!
また、文章構成で言うと下記の3つにも「4つの学習タイプ」に合わせたアプローチを組み込みやすいです。
- PASONA の法則
- 認知的不協和の利用
- PREP法(CREC法)
下の記事で解説していますので、ご覧ください。
04. ポイントまとめ
学習タイプ①:なぜタイプ
「理由」を明確にすると行動を起こしてくれやすい。
学習タイプ②:なにタイプ
具体的な証拠、例、データ、メリットを見て判断・行動する。
学習タイプ③:どうやってタイプ
具体的な手順が分かると、行動を起こしやすい。
学習タイプ④:いますぐタイプ
とりあえず何をしたら良いのかを伝えると行動しやすい。
成果(売上)を確実に伸ばしている企業やマーケターは、このような心理学的要素にも着目し、積極的に取り入れています。
この「4つの学習タイプ」に関しては、マーケターにとってはほとんど常識として知られている知識ですので、この機会にぜひ覚えて、明日から実践の場で意識して取り入れてみてください。
Reference
一瞬で人の心を操る「売れる」セールスライティング(村岡むねつぐ)
Kolb’s Learning Styles and Experiential Learning Cycle | Simply Psychology
ダイエットには朝のウォーキングが効果的!正しいやり方と注意点は?
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