三流のマーケターはターゲティングをせず、伝えたいことを伝えます。
二流のマーケターはターゲティングの重要性を知っており、相手が欲しい内容を伝えます。
一流のマーケターはターゲティングに時間を十分に使い、相手が欲しい内容を、相手に合わせた言葉で伝えます。
メルマガやランディングページなどのマーケティングの文章は、小説と違って「読みたいと思った人」が読むのではありません。
また、何度も繰り返し読んでくれるものでもありません。
たいていの場合、流し読みで最後まで読んでくれればかなり良い方です。
あなたが今までにインターネット記事やメルマガを読んだ時を思い出してみて下さい。
2、3行ほどで読むのをやめた、という経験は一度や二度ではありませんよね?
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ほとんどの場合、ここまで読んでくれる人さえ少数です。
では、ここまで読んでいただいたあなたに、ターゲティングに関する実践的な知識と、明日から試せる具体的な方法をお伝えします。
1. なぜターゲティングが必要なのか
ひとむかし前は、「より多くの人に届くメッセージ」が良しとされてきました。
今は、「ターゲティングされたメッセージが効果的である」と、多くのマーケターやコピーライターが口をそろえます。
なぜでしょうか?
今のあなたが生きている時代はインターネットが普及し、スマートホンやパソコンを通して、誰もが毎日情報を目にしています。テレビもそうです。
毎日、何かしらの情報を言葉や文章で浴び続けていますよね?
さらに、SNSや動画サービスも増え、テレビ・新聞・ラジオが情報源だった頃とは比べ物にならないほど多様な情報であふれています。
その結果、人々の趣味や趣向の幅が、時代の流れに沿ってどんどん広がり、欲しいものや情報も多様化してきています。
そんな中で、「より多くの人に届くメッセージ」を目指した文章は、結果的に”誰にも刺さらない文章”へとなりつつあります。
文章で何かを伝えるときに、相手に「これは私にとって重要だ/有益だ」と思わせることができなければ、あなたの文章が最後まで読まれることはありません。
そのためにターゲティングをして、どの層にピンポイントで届けるかを計画することが重要になります。
例えば、次のような2つの文章をご覧ください。
①「ダイエットでお悩みのあなたへ」
②「産後に体重が戻らずお悩みのあなたへ」
①の文章は、ダイエットをしている多くの人に向けた文章ですが、このような文章はありふれており、インパクトに欠けています。
②の文章は、ターゲットを大胆に絞っており、以前の体型に戻りたいと悩んでいる産後の女性に刺さりやすい文章です。実際に産後の方がこの一文を読むと、ハッとするはずです。
このように、ターゲットを絞って、そのターゲットに刺さる言葉を選んで使うことで、ぼんやりした文章から、読み手を惹きつける文章へと変えることができます。
それでは、すぐに実践で使えるターゲティングの方法と活かし方をご紹介します。
2. 実践的なターゲティングの方法
近代のマーケティングでは、単にターゲット層を設定することはありません。
生活が豊かになり、趣味や嗜好に幅が生まれ、ただのターゲティングではメッセージが響きづらくなってきたからです。
そこで出てきた手法が、ペルソナ(PESONA)です。
ペルソナを設定する
ペルソナ(PERSONA)とはマーケティング用語の1つで、ターゲティングの際に細かく条件を設定した人物像のことです。
ターゲットとの違いは下記のようになります。
ターゲット = 一定の層
(例)40〜50代の男性会社員
ペルソナ = 特定の人物像
(例)
名前:山田太郎(仮)
年齢:47歳
性別:男性
職業:メーカーの営業
年収:700万円
住まい:東京都
家族構成:4人家族 – 妻、娘(17歳)、息子(14歳)
趣味:ゴルフ、読書 休日の過ごし方:ゴルフやビジネス系の本の読書や、子供たちの部活の引率
利用するSNS:
LINE(家族や友人との連絡)
Instagram(会社の後輩に勧められ、ゴルフ関連の写真を中心に投稿)
このように、特定の(仮想の)人物まで掘り下げたターゲットのことをペルソナと言います。
ここは、熟練のマーケターの方でも時間をかける絶対に欠かせない作業です。
細かなところまで設定し、仮の名前までつけることで、よりリアルな人物像を設定します。
そうすることで、ペルソナにどんな言葉や文章が響くのか、ブレることなく書き上げることができます。
ですが、、、実はもっと効率的な方法がありますので、続けて解説します。
実在する人物をペルソナにする
ペルソナの設定よりももっと簡単な方法は、実在する人をターゲットとして設定することです。
例えば、あなたの家族、友人、会社の人など、趣味や趣向を把握している人をターゲットにし、その人にメッセージを届けるつもりで文章を作成します。
あなたも、会話やメール、LINEをする時、相手が誰かによって使う言葉や話題を選びますよね?
メルマガでも、ターゲットやペルソナによって、同じようにテイストを変えると、より相手に刺さりやすいメッセージ作ることができます。
もちろん、敬語や丁寧な言葉を使うことは大前提です。
それでは、ここで設定したターゲットやペルソナを文章の作成(ライティング)でどう活かすのか、次の章で解説したいと思います。
3. ターゲティングを100%活かす
ターゲティングをすることが、狙った相手に”刺さる”メッセージを書くために必要であることは、あなたにもご理解いただけたでしょう。
では、実践で使えるターゲティングを利用した具体的なテクニックをご紹介します。
相手に合わせた言葉選び
読まれやすい文章を書くには、相手に身近な単語やフレーズを使うことが重要です。
最も避けたいのは、読み手が知らないかもしれない言葉を使うことです。
例えば、PC=パソコンですが、読み手がビジネスマンであれば何も考えず使えます。
しかし、パソコン関係に詳しくないかもしれない相手がターゲットであれば、PCという言葉は避けるべきです。
CPCやROIといった略語や業界用語も、マーケターであれば常識ですが、そういった言葉にあまり関わりのないビジネスマンもいます。
もし、読み始めの2、3行に知らない単語が3つも出てきたらどうでしょう?
たいていの場合、「おっと、これは難しそう」、「これは私向けのページではないな」と感じ、すぐに離脱してしまいます。
人は、インターネット検索の際に、ページを開いて3~5秒で離脱するか読み進めるかを判断すると言われています。
そこで、ターゲットに「これは私のための情報だ」と思わせる言葉選びが重要なのです。
使用する例を選ぶ
言葉選びが重要なのと同じくらいに、”例”の選択も重要になります。
そもそも、文章やメッセージで例を用いるのは、あなたが伝えたいことを、より相手に深く理解してもらうためです。
少し難しい内容を伝えるときに、具体的で相手に分かりやすい例に置き換えます。
そこで重要なのが、ターゲットに身近なトピックや分野を例に使うことです。
主婦層に「ホームランの飛距離で表すと、なんと200m飛ぶのと同じ威力です!」みたいな例は響くはずがありませんよね?
これは極端な例ですが、メルマガやインターネット記事を見ていると、ターゲットから少しずれた例を使用している例は少なくありません。
ターゲットやペルソナの視点に立って、どんな例が相手に伝わりやすいのかを常に考えて引用すると、あなたの文章のパワーもグッと上がります。
悩み、不安、欲求を刺激する
心理学の話になりますが、人は「損することを異常に避けたがる」、「何かを得るよりも、不安や悩みを解消するために行動する」ということが証明されています。
例えば、ひどい頭痛に悩まされている人の目の前に、同じ値段の頭痛薬とケーキがあれば、多くの人は頭痛薬を買います。
このように、得をする(ケーキを買う)よりも、問題を解消する(頭痛薬を買う)ためにお金や時間を使いやすいです。
これは、メルマガの文章を通して読み手を行動に移させたい場合にも有効です。
いま、ターゲットが悩まされているであろうことに触れ、共感して相手に寄り添い、その悩みを解消するための方法・商品・サービスを提案すると、ただなんとなく紹介するよりも効果的です。
4. まとめ
ターゲティングなくしては、文章にパワーは宿りません。
メッセージも、単語も、例も、読み手の目線で、読み手が欲しい言葉で、商品・サービス・コンテンツを提供することで、反応はガラッと変わります。
ターゲティングには時間も費用もかかりません。
設定方法もこの記事でお伝えしました。
ぜひ、文章を作成する前に、ターゲティングの時間を作って、”相手”を考えながら文章を書いてみてください。
5. Reference
人もお金も動かす 超スゴイ!文章術(金川 顕教)
セールスライティングの教科書(羽田野 哲平)
The Copywriting Bible(John H. Smith)
一瞬で人の心を操る「売れる」セールスライティング(村上むねつぐ)
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