SMART Objectivesとは、あらゆる目標設定の場面において効果的で具体的な目標を設定する際に使用される方法です。国内外を問わず多くの企業でこのワードはすでに常識となっているのではないでしょうか。
このページではビジネスシーンにおけるSMART Objectivesの使い方、例、重要性を解説しています。
特に新社会人の方には何を覚えるよりもまず一番最初に知ってほしい知識です。
私がそうであったように、知っているのと知っていないのではあなたのビジネスパフォーマンスや1年後の到達点に大きな差がでると断言できます。
01. Objectivesとは

ビジネスにおけるObjectiveとはビジネスでの活動において達成したいことや到達したい地点、ターゲットとなる目標のことです。
ここで「なんだ目標の話か」と思ったあなたは“05.なぜObjectivesが必要なのか”を先にお読みください。
そもそも人は目標や目的のために行動を起こす動物です。
例えば、「お金を稼ぐために働く」 →「 働くために職場に行く」といったように一連の行動は目的から成り立っています。
この目標や目的を具体的なものにすることで、あなたのするべき業務やタスクが自然と見えてきます。具体的な説明は後半に続きます。
02. ObjectiveとGoal の違い

Objectiveとよく混同されがちなワードがGoalです。
同じく目標・目的といった意味合いを持ちますが、ビジネスにおいては意味合いがはっきりと分かれています。
Goal = 最終的な到達点
(例)顧客満足度に特化した業界No.1の会社になる
Objective = 具体的な到達点
(例)売上〇億円を達成する
このように、会社として目指す最終的な到達点をGoal、目標とする到達点が定量的で最終的な目標ではなく短・中期的な目標をObjectiveと分けることができます。
「〇月の売上目標は〇円」、「第1四半期の利益を前年より〇% UPする」といった目標もObjectiveに分類されます。
03. 「SMART」でObjectivesをより明確に

このSMARTは「SMART = スマート(賢い)」という意味ではなく、以下の単語の頭文字をとったワードです。
Specific: 明確か、具体的か
Measurable: 計測・測定が可能か
Achievable: 達成できるか
Realistic: 現実的か
Time-bound: 期限・締め切りが明確か
*S = simple, significant、R = relevant, reasonable, T = timely, time-based と表現される場合もありますが、ここでは考え方をお伝えするのが著者の”Objective”であるために上記の表現で統一して記事を作成しております。
より掘り下げて見てみると以下の通り解釈できます。
Specific = 明確か、具体的か
何を得たいのか、何を達成したいのかが一目で見てわかる。
Mesurable = 計測・測定が可能か
数値や具体的なものなどが含まれており、後で計測が可能であること。数やパーセンテージ等。
Achievable = 達成できるか
財務状況やデータの分析に基づいて達成可能であるか。
Realistic = 現実的か
Achievableとニュアンスが近いが、Relevantと表現されることもあり、設定目標が会社が目標とするところからかけ離れていないか、現実的かという指標。
Time-bound = 期限、締め切りが明確か
1か月間なのか、半年なのかといった明確な期間があるか
04. SMART Objectives の活用例

ビジネスシーンでは一般的に
『会社のObjective』→ 『部署のObjective』→ 『個人のObjective』
といった流れで、会社の目標と関連させて一貫した目標を設定するのが理想とされています。
【例】会社 → 部署 → 個人
会社:『1年間の会社利益を前年度比5%UPする』
↓
会社の目標を達成するために
↓
部署:『第1四半期の売上〇億円達成する』
↓
部署の目標を達成するために
↓
個人:『1月の成約件数3件を達成する』
このように、会社の目標という大きなところからいきなり個人におろすよりも、一つずつ段階を卸しながらObjectiveを設定することで、現実的にモチベーションを保ちつつ業務に取り組むことができます。
05. なぜObjectivesが必要なのか

ここからはSMARTとは切り離してObjectiveのみに焦点を当て、その重要性に関して言及したいと思います。
冒頭で新社会人にこそ知ってほしいと述べましたが、その理由をこちらで説明します。
会社で働いていると様々なタスクやプロジェクトに追われ、自分が何を優先してするべきなのか分からなくなってしまうことが必ず出てきます。
そういったときに一度Objectiveを振り返ってみると、何をすべきなのか再確認することができます。
【例】営業部のAさん
Aさんはある日、上司からの「これ今日中にお願い」(ドラマでよくあるやつ)と、ポテンシャルの高いお客様への自社製品の紹介でどちらか1つを優先しなければならない選択を迫られていました。
Aさんは上司からの評価が下がる可能性を理解しつつもお客様を優先しました。
お客様優先が当たり前だから?
いえ、Aさんは営業部だからです。
もっと正確に言うと、Aさんは営業部で、営業部の目的は数字 (売上)を上げることだからでした。
かなりシンプルで分かりやすい例を挙げましたが、実際は業務の種類やタイミング、その他の要素など、様々な判断要素を踏まえつつ、Objectiveと照らし合わせて最終判断をすることになります。
Objectiveは会社レベルではなく、プライベートで個人レベルで設定することもできます。
ここでもわかりやすい例で説明しますが、次のObjectiveを設定したBさんがいるとします。
【例】BさんのプライベートでのObjective
「〇月までに必ず5キロ痩せる」
こちらのObjectiveを設定したBさんが友人とレストランに行ったとします。
低カロリーな野菜炒め定食と高カロリーなトンカツ定食の2つで迷ったとき、Bさんが心の底から目標を達成したいのであれば選択の答えは言うまでもありません。
ここでも分かりやすい例を引用しましたが、全ての行動にObjectiveを持つことを意識していれば、自ずと取るべき行動に迷いがなくなります。
このように、会社であってもプライベートであっても、人は生きている以上、常に選択や判断を迫られるものです。
判断が必要な際、行動を起こす際、仕事をする際など、Objectiveを意識しながら取り組むことで、最短で最適な判断を出すことができるようになります。
ビジネスの場においては常にObjectiveを意識することをおすすめします。
メール1つの返信、上司と話すとき、部下に指示を出すとき、プロジェクトを進めるとき、どんな処理をするにおいても意識することで、あなたの「軸」がぶれることなく、一貫したパフォーマンスにつなげることができます。
あなたもぜひ、これから仕事をする上でObjectiveを意識しながら日々の業務に臨んでみてはいかがでしょうか?
リファレンス
SMART Goals: How to Make Your Goals Achievable (by Mind Tools) [Accessed 2020年4月29日]
まさにスマート! 目標を立てるときに役立つ「SMARTゴール」とは? (by データの時間) [Accessed 2020年4月29日]
著者の上司C
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